技術と強み

安全性の徹底

打上制御


自動点火装置

一つでも本当に美しい花火、これら堂々たる花火を緻密に構成し次々と打ち上げることで夜空に描き出すことができるさまざまな色や型・・そこには偶然の光景も。たくさんの花火達が夜空に魅せる光景は大変美しいものです。

いくつもの花火を予定したプログラム通り打ち上げるために電気式の自動点火装置を使用します。当グループでは米国社製 Pyrodigital PhaseV System(パイロディジタル・フェーズV・システム)を採用し、花火演出の研究をおこなっています。

花火の打上げ薬に電気導火線や点火玉といった電気的なショートをおこさせることで発火する仕組みを利用して時間、打上げたい花火を正確に制御します。しかし、そこは花火の玉の内部構造でもおわかりのように手作業等で切り分けたアナログな部品を使っているため、時には多少のタイムラグも起こります。これもまた花火が魅せる偶然の美を創りだしている所以とも言えるのではないでしょうか。このシステムの採用により1本の電気コードをつなぎ合わせていくことで遠くまで、数か所にわたるワイド演出が可能になっており、作業性の効率化にも一役買っています。

またここ数年、花火打ち上げによる現場作業の事故の増加もあり経済産業省の指導の元、花火の打上筒から離れたところで点火を行うことを奨励しています。コンピューターによる遠隔操作は同時に打ち上げに従事する者にとっても点火時の身の安全が確保できるというメリットがあります。


打上制御機械

コンピューターによる点火はあらかじめ演出のプログラムを専用ソフトで細かく(点火時間は0.1秒単位でコントロール)入力しておき、ボタン一つで自動実行(オートラン)させることができます。また、ある程度まとまった演出をプログラムしておきタイミングを見ながら順次走らせることができるセミオートコントロール(マニュアルファイヤー)が可能です。

花火を打ち上げる時間の間隔は、花火の演出上、高いところまで打ち上がる大玉とより低空で開発する花火とのタイミング調整や連続発射によるリズムや躍動感を伝えるために重要なポイントになります。一定の間隔で連続で打ち上がる花火は、視覚のみならず発射音による小ぎみよい躍動感を得ることができます。花火師の意図した演出とお客様の感じるインスピレーションとが重なりあうことを思い描きながら、演出の創意工夫に日々努めています。

当グループでは、花火の打上筒の管理や配線の入念なチェックはもちろん自動点火装置による花火の企画を自らの手で工夫・開発しながらより安全で効率よい打ち上げにつながるよう努力しています。安全で面白い花火を福山花火工場は目指しています。